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ホラー小説 めろん。-6

公開日: : 未分類

『大人気のダイエットサプリ! 今なら』

 丁度いい具合にダイエット商品のCM。

 それはそうだ。大方の主婦が一息つくこの時間帯を狙って放送しているのだから。

「とりあえず、体調治してからにしょう」

 運動をするにも、サプリを取り寄せるにも、この体調を戻してから、もう一度本格的にダイエットにかかろうと決めた。

『すごいですねーメロン。このメロンサプリは』

「まただ」

 テレビの人物が会話の中に”メロン”という単語を混ぜ始めた


 だが、画面のタレントの口は合っていない。つまり幻聴だ。

「疲れが溜まるって、こういうことなのね」

 なんの変哲もない”メロン”という単語の意味が無さ過ぎて、彼女は自分の幻聴に呆れた


「なんでメロンなのよ。ほんっと、どこ行ってもメロンメロンって」

 実は彼女の幻聴は今に始まったことではなかった。ダイエットを始めてすぐに聞こえ始めたのだ


 誰と話していても、何を聞いていても、必ず節々で【メロン】という単語が入る。

 しかも最近ではよほど疲れが溜まっているのか、【メロン】の間隔が明らかに短くなっている。

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